元町映画館 ~街中のミニシアター~

元町通を歩いていて、偶然、あるポスターに目が留まりました。
「教誨師(きょうかいし)」という映画で、今年の2月に急逝した大杉漣(れん)さんの遺作となった作品です。実は、私も教誨師ではありませんが同様のことでお手伝いしていますので、ちょっと見逃せなくなりました。
この作品の、兵庫県下では唯一の上映施設(11月9日までの公開)が元町映画館でした。
どうしても見なければと思い、翌日、立ち見になる前でなんとか席を確保して、重いテーマの作品「教誨師」を鑑賞することができました。

元町映画館は、2010年8月に「地域の活性化」を目指し、地元密着型のミニシアターとして開館しました。
座席数は66席です。
近隣の映画館などとも連携しながら、収益性に乏しく、大きな映画館ではとてもかかりそうにない作品を努めて上映されています。
元町商店街では30年ぶりの映画館でした。
元町映画館のオーナーは、本業は、小児科のお医者さんの堀さんです。
元町に映画館がないのを憂い、映画好きだったこともあって、平成12年に2階建ての閉店したパチンコ屋さんを買い取りました。しばらくはその時が熟するのを待ちながら、8年後に映画館をオープンさせました。
シネコンでは見られないような隠れた名作、一般受けのしないような映画をセレクトしている”映画好きのための映画館”で、鑑賞している人のマナーの良さもあり、居心地の良い空間になっています。
また、運営や管理をされている林支配人さんのチャーミングな笑顔も、この映画館の魅力のひとつです。
ゆるゆると、ひっそりと映画の時間を過ごしたい人のための
空間、です。
神戸市中央区元町通4-1-12
☎078-366-2636

花時計 ~街中の名脇役~

神戸市内には、街の移り変わりを、密やかに見つめているものがいくつかあります。
その中のひとつが「花時計」で、1957(昭和32)年から、60年以上にわたり神戸の街を彩ってきました。待ち合わせや観光の名所として、また、居留地への道案内には欠かせない目印として大切な役割を担ってきました。
花時計誕生のきっかけは、宮崎辰雄元市長(当時は助役)欧米出張でした。その時に4つの花時計に出会いましたが、そのうち、ぜひ神戸の街にも同じようなものを造りたい、とモデルにしたのはスイス・ジュネーブのイギリス公園にあった花時計でした。 何しろ前列がなく、まずは海外からの情報収集から始まり、調査や研究が重ねられました。 文字盤が直径6mという大型時計も、当時圏内にはありませんでした。その上、傾斜角度15度の傾いた文字盤の上が 花壇になるということで、機械室の防水や防湿といったことも 含め様々な問題が山積でした。使う花についても、条件はたくさんあり、植え替えをする度 に必要な数千株の花がそれほど高価ではなく入手しやすいこと、時計の針の動きを邪魔しないような低い丈で、丈夫で長持ちすることなどです。
フラワーロードに面した神戸市役所の新庁舎(現在・2018年10月・の2号館)の 完成と同時に始動式が行われました。高松宮妃殿下が始動のボタンを押されると、チャイムが鳴り響き3000人の市民からの拍手と150羽の鳩、1000個の風船が舞い上がったそうです。
その「花時計」は、市役所の建て替えに伴い、仮説されるのでここにあるのは11月下旬まで。
神戸の60年を刻み続けた「花時計」。いつもここにあった、ということを脳裏に刻みつけておこう、と思います。

2018年10月

イニエスタ選手、ようこそ神戸へ

心にやさしいお店のこと

さぁ❗️今日は何か美味しいものを口にしたいなぁ、って思った時や、
不意に大事な友人が来て、とりあえずではなく、楽しいランチタイムをしたいなぁ、という時に迷わず行きたい、とっておきのお店があります。
「Kitchen Witch」(キッチン ウイッチ)です。
長年、地下鉄沿線の大学生で賑わう
街で、かわいい喫茶店をされていましたが、昨年、エイヤ❗️と思いきりよく、三宮の目抜通り、北野坂沿いに移って来られました。
普段は、 夜の帷(とばり)がおりる頃にネオンがきらめく、”北向地蔵さん”の向かい側にあるビルの4階に上がり、恐る恐る入り扉を開けてみましょう。
魔女(ウイッチ)が目印です。
健康的な日がさし込む窓があり、チャーミングな笑顔の人が出迎えてくれます。
野菜ソムリエの資格を持つ人が作る”野菜たっぷりのごちそうランチ”。
十六穀米は自分でブレンド、サラダのトッピングのカリカリ玉ねぎも、イクラ風の小さな寒天も、その日のおつけものも、デザートの小さなケーキもすべてお手製です。
私の友人は「これは美味しい薬膳」だと感激していましたが、今や、体にも心にも優しいことが、一番の贅沢なご馳走なのかもしれません。
ちょうど私がランチに行った日に、カウンター席で、平均年齢85歳の女子会が始まっていました。ね❗️美味しいでしょ❗️とまるで自分が作ったかのごとくに自慢されていました。
このお店の、チャーミングな笑顔の美人魔女ママさん、の大好物は「美味しかった」のようですよ。
本当は内緒にしておきたい、とっておきのお店なんですよね…。
キッチン ウイッチ
中央区中山手通1―8―1明関ビル4階
ランチタイム1130~1400
1700~

「オリーブの魅力」

 

50実は、神戸がオリーブとの縁が深い街だった、ということをご存じですか。
明治の頃、中央区の北野町には、国営オリーブ園が存在していました。その、忘れられた歴史を掘り起こしたのが神戸大学名誉教授の中西テツ先生です。2013年には、市民団体を発足し、オリーブに関する歴史の啓発や、イベントなどを催してこられました。
湊川神社には「日本最古」とも言われるオリーブがあります。樹齢は推定140年近く、戦災も震災もくぐり抜け街を見守ってきた大事な古木です。その歴史ある古木に、昨年幹を喰い荒らす害虫が見つかり、中西先生たちはオリーブを救う為に立ち上がり、今懸命な治療を続けています。
さて、そのオリーブの権・中西先生が長田区にあるふたば学舎(旧二葉小学校)で、地域文化講座「オリーブの魅力」を開かれています。
第2回11月28日(火)
10時~11時30分
「テーマ」オリーブオイルを味わってみましょう。
第3回12月12日(火)
10時~11時30分
「テーマ」オリーブの育て方、品種のこと、実を食べてみる!
受講料:500円
●(646)8128
担当:いさやまさん

2017-11-24

ファマーズ マーケット

 

居留地の東側にある旧生田川の河川敷が、外国人専用のグラウンドとして使われ初めたのは、開港後まもなくの1875年からです。
やがて日本人にも解放されて、「内外人公園」と呼ばれ、野球やサッカー、ラグビーなどが日本中に広まっていくきっかけになりました。
「東遊園地」と改称されたのは1922年のことです。
この「東遊園地」で3年前に、市民と行政の協働の社会実験「URBAN PICNIC 」が始まりました。グランドの大部分が芝生になり、快適な空間になりました。
そして、一年を通して神戸の旬を楽しめるマーケットも開かれています。 神戸の生産者さんたちと会話しながら、野菜やくだものや苗を買ったり、カレーやパンや飲み物なども食べることもできます。
神戸らしい”地産地消の朝市”は毎週土曜日の9時~12時30分まで、雨でも開催しています。

2017-10-27

神戸三宮フェリーターミナル  

宮崎に帰る知り合いの方を見送りに、フラワーロード沿いに歩きました。
東遊園地の「虹の石」に刻まれた後藤比奈夫さんの俳句をゆっくり見て、日本で一番短い国道を渡ると、威風堂々と立派な税関の建物が見えてきます。その東向かい側には、かつて生糸検査所だった建物は、「K I I TO 」として、展覧会やイベントなどに使われ見事に再生しています。
さらに南へ行くと、今年の7月に完成した5階建ての真新しい「ポートオアシス」が見えてきます。開港150年を記念して建設された施設で、一階には、港湾関係者以外の人も利用できる食堂とコンビニエンスストアがあり、二階三階は多目的スペースになっています。
目の前の”新港第3突堤”の東側には、宮崎行きの「宮崎エキスプレス」(宮崎カーフェリー)が停泊していました。
突堤の西側からは、高松や小豆島行き(ジャンボフェリー)の船が出ています。
このターミナルは元々ジャンボフェリーだけが使用していましたが、2014年7月に「神戸三宮フェリーターミナル」として新築されました。
それまでは、大阪南港からの発着だった宮崎カーフェリーも利用できるようになりました。
この日宮崎に戻って行く知人は、インターネットの早割で予約をして、2等で6000円で、広々とした大部屋でゆっくり飲みながら帰る、とちょっとした船旅を楽しんでいるようにターミナルに消えて行きました。
1800発で翌朝830に宮崎に着きます。
ヘルメットを前かごに入れて、自転車に乗った港湾関係者が私を追い越して行きました。
神戸の原風景はやはり港、と思いながら帰路につきました。
神戸港福利厚生施設
神戸ポートオアシス
333ー2822
休館日:年末年始

2017-9-29

神戸の水の話

神戸には、世界に誇ることのできるものがいくつかあります。
神戸ウォーターは、その代表的なものではないのでしようか。
過日、貿易センタービルで「赤道を超えても腐らない水」のセミナーがありました。水のことでは第一人者の専門家、NHKの人気番組で神戸の水について紹介された水道局の松下眞さんが講師で、簡単な水の浄化実験をまじえながらの分かりやすい講座は、知っているようで知らないことばかりで引き込まれました。世界の水道の歴史に、神戸の水道創設への歴史、当時の技術の高さ、腐らない水についてなど順々にに解き明かしてもらえるようなお話でした。
来る、9月16日(土)(14時~15時30分)にも神戸登山研修所で
「布引ダムと神戸水道創設~水道の歴史と布引ダム、そして神戸~」の講演会があります。
講師:松下眞氏
暮らしの営みの中で、最も大切な命綱とも言える”水”、また神戸の財産とも言える”水”のことを
考えるきっかけにしてみてください。
50人先着順、神戸登山研修所にて
申し込みー名前・住所・電話番号・参加人数を書いてFAX 078(322)6189まで
資料代として500円

神戸登山研修所
灘区王子町2-2-1(王子公園内)

2017-8-25

「神戸人形」の話

 

「神戸人形」を覚えてられますか?
かつては、「神戸人形」を売っていたお店が市内に何軒かありましたが、今では店頭で売っているお店はなくなってしまいました。
「神戸人形」は、明治時代の初めくらいに神戸で誕生したからくり人形です。
奇抜なデザインの人形が小さな台の上に乗っていて、つまみを回すと、スイカを食べたりお酒を飲んだり、首を傾げる仕草をしたり口を開けたりして、見れば見るほど滑稽です。
この台の中には、だいたい6本から8本くらいの糸が仕掛けとなって入っています。ちょっとした精密機械のようです。
神戸っ子だけでなく、神戸を訪れた外国人にも人気があり、たくさんの「神戸人形」が、世界に旅だっていきました。
一体誰がこのような人形を考えて作り初めたのか、諸説ありはっきりした資料もないのと、これまで何度となく作る人が亡くなったりで廃絶の危機もありました。
かつて、一般的に広く普及していたのは、戦後に「神戸人形」を初めて再現した”キヨシマ屋”さんので、私が持っている2体もキヨシマ屋さんのです。
これまでも、このユニークなからくり人形を残して継承していかなければ、という人たちの熱意で守られて、奇跡のように今まで伝承されてきました。
現在、「神戸人形」を深く検証し研究した上で制作をされているのが、ウヅモリ屋・吉田太郎さんです。
地道で丹念な作業をしながら、「神戸人形」を確実に次世代へ繋いでくれています。
今、「神戸人形」を入手できる所は、日本玩具博物館、キイトとウヅモリ屋さんのインターネットでだけです。
旧き良き時代の、神戸ならではのからくり人形が、若い作家さんの手で残され継がれていくことに、感動しながら、手元の人形の愛らしい仕草を眺めています。

2017-7-21

神戸の名物  「シティー・ループ」バス

 

神戸には、観光の名物がたくさんありますが、中でも「シティー・ループ」バスはその代表的なものでしょうか。
その経緯を辿ってみると、1983(昭和58)年にはすでに提案がなされ、バスそのものが観光の名物になり、かつ市民の利便性にも繋がるように、ということが目的に掲げられていました。
“坂の街サンフランシスコ”に視察に行き、同じく坂の多い神戸にも相応しいのではないかと思った、という話はバスの計画に携わった、当時の経済界の関係者から聞いたことがあります。
その後、1987(昭和62)には、神戸開港120年祭の期間中に都心の周遊バスとして限定で試走しています。
ネーミングの公募で名前を「シティー・ループ」に決定して、いよいよ運行が始まったのは1990(平成2)年です。
着想から振り返ると、「シティー・ループ」には、実には34年の歴史がありました。
他の都市に先駆けての運行でしたから、後に、旅先の京都や尾道などで同様のバスを見かけた時には、何やら誇らしい思いすら感じました。
シックな緑を基調にした車体のデザインは、走る異人館と言われています。
車内のガイドさんの制服は、帽子も靴もセンスの良い神戸ファッションで揃えられています。
今や、神戸に来たらまず「シティー・ループ」に乗りたい、という世界中からの観光客で、連休や夏休みなどは、長蛇の列です。
北野町に住まれている人も、お買い物の帰りの足として利用されていて、まさしく、当初の理念どおり日々の暮らしの中で市民にも活用されています。
この夏には、開港150年で公園として整備されたメリケンパークに、期間限定で走る計画も予定されています。
遠方からひさびさの友人が来る、神戸での同窓会の幹事を引き受けた、というような時、「とりあえずループバスに乗ってみよう?」、というのも神戸っこに定着してきました。
「シティー・ループ」は、神戸にとってなくてはならない存在になりました。

2017-6-23

相楽園で習い事    苔玉・盆栽教室

私の家の小さな庭も、今花盛りです。厳しい寒さや、雨や風にも耐えたシクラメン、すずらん、モッコウバラにマーガレットが満開です。
ガーデニングも好きですが、今新しいことを始めています。
以前から興味があった盆栽、苔玉を習っています。
教室の場所は「相楽園」の中、雰囲気のある重要文化財の旧小寺家厩舎です。
講師の小山実智子さんは、姫路城の「好古園」で植木職人さんや造園技師さんなどと関わり技術を習得して、木や草花で独自のミニチュアガーデンの世界を創られています。
私が受講した日の”吊りしのぶ”では、古来からの紐の巻き方を伝授してもらい、また”リース”作りでは、生の枝を巻き付けて行く方法を習いました。
重要文化財の建物で、一心不乱に土を捏ねたり、苔を配置しながら、小さな緑の世界で、自分を表現できる楽しさを発見できました。
相楽園には他に、ガーデニングや珈琲講座などもあります。
樹齢約500年と伝えられる大クスノキや蘇鉄も見事な”都会のオアシス”相楽園です。
教室の行き帰りに、ツツジやアジサイ、菊や紅葉など季節の彩りも楽しんでくださいね。

相楽園 078 3$1 5155
900~1700
木曜日(祝日の場合は翌日休み)
大人 300円

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2017-4-21