たるみ燐寸(まっち)博物館  

 

今年の4月11日に、垂水区にマッチの博物館が開設されました。
小学五年生の時から、40年以上をかけて集めたマッチ約5千点の一部を、分類、整理して展示しているのは、小野隆弘さんです。
愛煙家のお父さんが持っていた、歴史シリーズのマッチに興味を持ち、集め始めたのがきっかけだったそうです。
お仕事場の一画にきちんと展示されているマッチ箱は、デザインがよくわかるように額の中に広げられているものと、マッチ箱の形のまま小さなガラスケースに収められているものと、大きなガラスケースにたくさん収められているものがあります。オープンしてからは、インターネットなどでこの博物館のことをを知った人からの依頼で、今では1万点を越えるマッチがよせられているそうです。
ただマッチをお預かりするのではなく、収集家の方とマッチとの間に潜んでいる様々なお話しを、必ず聞かれるようにされていることにも驚きました。
なるほど、ガラスケースの横には、小野さんとマッチとのドラマが、ショートストーリーのにして添えてありました。
「たるみ燐寸博物館」は、小さな美しいマッチ箱を通じて想い出に火を灯してくれるような博物館でした。
13時~19時まで
不定休
入場無料
来館の際は、事前に連絡が望ましいでし。かばん店「レッドアリゲーター」内
・(705)0883

2015-10-16

神戸ワイナリー


神戸市西区にある「神戸ワイナリー」ができたのは、1984(昭和59)年10月です。
まだ、それほど遊びが多様化していない時代に、全国の農業公園に先駆けて開園しましたので、ワインと観光が結びつき最初の5ヶ月間に13万人もの人が押し寄せました。2006(平成18)年に、ワイン造りに特化するために、それまでの農業公園から「神戸ワイナリー」に名称を変え、有料だった入園料と駐車料は無料になりました。  さて、9月21 、22日に収穫祭が開催されます。神戸ビーフの試食販売、ビンゴ大会やワイナリーツアー、ポニーと遊ぼうや屋台、野菜市などのイベントが目白押しです。ワイナリーでしか飲めない人気の”ホイリゲ”の試飲もあります。
この神戸ワイナリーでは、今でも、年間400万トン(通常の瓶サイズで40万本)もの良質なワインを製造しています。 神戸の生産者により、神戸の土地で育てられた「欧州系」の品種の葡萄を原料にし、農業公園で造られたものが「神戸ワイン」です。今年の新酒の解禁は10月23日です。 改めて、神戸の宝とも言える「神戸ワイン」を見直す良い機会ですので、ワイナリーに足を運んでみてください。
9時~17時。年中無休。西神中央駅より神姫バス20、75、80、81系統「農業公園」下車。土・日・祝は同27系統が、園内まで乗り入れます。
西区押部谷町高和1557-1
●(991)3911

2015-9-18

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灯台のこと知ってる? 神戸海洋博物館

 

中突提の東側にメリケン波止場と呼ばれていた所がありました。
神戸港開港120年記念事業として、そのメリケン波止場の大部分が埋め立てられてメリケンパークができ、神戸海洋博物館が開館したのは、1987(昭和62)年のことです。
その海洋博物館で「灯台へ行こう!」展が開催されています。
博物館で開催される海上保安庁展は、今年で7回目ですが、人ではなく「灯台」が主役の展覧会は初めてのことで、歴史や種類、役割などを中心にちょっとしたクイズもあり、大人も充分楽しむことができます。
それほど灯台に興味のなかった私でしたが、見終えた後は、岬の先端に立ち、暗闇を照らす健気で孤高な灯台の姿に、感動すら覚えました。
パネルの立ち並ぶ一画に〈灯台空中散歩~17の灯台上空より~〉という映像のコーナーがあります。ひんやりとした博物館で、マルチコプター(ドローン)で撮影された映像を眺めていたら、いつのまにか白い灯台を旋回している鳥になっているかのような心地になりました。
8月29日(土)には、海猿たちのトップにあたる人の灯台にまつわる歴史のことなどの講演や、海上保安庁のキャラクターとの記念撮影会もあります。撮影用に、お子様用の海上保安庁の制服が準備されています。
7/22~9/6
神戸海洋博物館
10時から17時、休館 月曜、 大人600円 小中学生250円

2015-8-21

オリーブと神戸

 

北野町を歩いていると、メインストリートの北野坂や路地裏、またお洒落な店先にオリーブが植えられていることに気がつきました。
「オリーブを北野町のシンボルにしよう」と2013年から北野地区の住民の方々が取り組んだ結果、こつこつと増やし続けたオリーブの木は今では100本を越えました。
さて、北野町とオリーブの関わりを調べてみると、国内初の「国営神戸オリーブ園」が、外貨獲得のため北野に開園されたのは1879(明治12)年です。
約3000坪の敷地に、550本のフランス産のオリーブやゴムやレモン、ユーカリ、オレンジ、ブドウなどが植樹されましたが、特に北野の土壌に適応したオリーブだけがよく育ち、開園5年後には「神戸阿利襪園園」と改称されました。
開園から3年後には、国内で初めての食用油の搾油(さくゆ)に成功しています。しかし、西南戦争の影響を受けて政府の財政難から民間に払い下げられ、1896(明治29)年には閉園になっています。
オリーブ園の正確な所在地は長い間不明でしたが、神戸大学名誉教授の中西テツ先生が平成12年から地道な調査を開始、トアロード沿いの神戸北野ホテルや周辺にオリーブ園があった事がわかったのは、3年後のことです。
2015年6月2日、神戸北野ホテルの敷地に、往時の様子を伝える案内板と記念碑が設置されました。
当時の、ゆかりがあるとされるオリーブの一本は、今でも湊川神社にあり、見上げるような大木になっています。
その湊川神社の枝を接ぎ木した3本のオリーブ苗も植樹されています。

2015-6-26

神戸市立森林植物園とト―テムポール

1940(昭和15)年にできた森林植物園は、六甲山の一角にある広大な植物園で、市街地からは、バスや車でわずか約30分で行けます。
紫陽花や紅葉だけではなく、つつじやしゃくなげが見頃の新緑も見事です。
これからの季節だと、長谷池のカキツバタや睡蓮などの水性植物も次々と咲いてきます。タイミングが合えば、モリアオガエルの産卵の様子も見ることができるかもしれません。
さて、植物園に、長年、花時計広場にあった「ト―テムポール」が移されてきました。
昭和32年に姉妹都市になったシアトル市から、そのお祝いにとシアトル市民から贈られたのが「ト―テムポール」です。
ネーティブアメリカンが神戸に来て制作し、太陽や海、六甲山などが刻まれました。半世紀以上がたち、老朽化し倒壊してはいけないので敷地の中にシアトルの森があリ、ゆかりのある森林植物園に移されることになりました。根元部分は残されて、10メートル弱になったト―テムポールの上の部分は、多目的広場に横たわっています。
「ト―テムポール」は、このまま土にかえってゆくのを、植物園を訪れるたくさんの人に見届けてもらいながら、静かな余生を送っています。

市立森林植物園 591-0253
三宮バスターミナルから市バス25系統で(土・日・祝のみ)
大人300円小人150円
2015-5-22

 

六甲山の上(やまのうえ)美術館~さわるみゅーじあむ

この美術館は、瀬戸内海国立公園・六甲山に4年前にできた日本初の”さわる”ミュージアムです。
普通、美術館の展示品はガラスケースの中に収められ、少しでも近くで作品を見たければ、監視員の人の居るなかで気を使いながらガラスに鼻をくっつけて鑑賞することになります。
「さわるみゅーじあむ」では、玄関入った所から<無意味の存在>(小林陸一郎)という作品がが出迎えてくれました。桜の木で作られていて、目をつむって触ってみるとノミのあとを掌で感じることができます。
椀状になっているストーンカメオ、ブロンズ像、御影石の作品を次々に触れさせてもらいました。木の作品は、楠、栃、桜と触ってみて初めて質感の違いがよくわかりました。
矢野茂樹館長さんに、なぜこのようなユニークな美術館を作りたいと思ったのか尋ねてみると、病気で全盲になってしまったお母さまへの思いがきっかけになった、ということでした。それまでされていた宝石商の豊富な経験を元に、視覚障害者が本物の芸術作品に気軽に触れられる場所を設けたいという夢を、何年もかけて場所を探し求め、ようやくここ六甲山で実現しました。
さわるミュージアムは、ろうあ者だけの美術館ではありません。子どもたち、若者、大人にもぜひ訪れてほしい美術館です。
目が見えているのに、案外本当のことは見えていないのではないだろか、という気づきの場所になりました。
開館:10時~17時、 木曜日休館
電話:078-894-2400
元中山製鋼所の保養所だだった建物
「六甲ケーブル山上駅」から六甲山上バスで「カンツリーハウス」下車、六甲山スノーパーク駐車場の方に歩いて約10分。

 

2015-4-24

神戸ファッション・ウィーク

〝ファッション都市・神戸〟の魅力を発信する

イベント「神戸ファッションウィーク2015春夏」が始まりました。

今年で18回目になる今回のテーマは「evolution」です。

「神戸の街をもっと元気に」という想いを込めて開催しています。
神戸を愛する経営者が実行委員会となり、

企業・ショップ・行政などに呼びかけて、

神戸を楽しんでもらおうと趣向を凝らし様々なイベントを行っています。

まずは、情報が満載の〝公式ガイドブック〟を手に入れてください。
例えば、食の分野では、ファッションウィーク参加店舗より、

新メニューの提案があったり、注文の際にガイドブックを提示すると

お得な特典でおもてなしをしてくれます。
また、美容・健康では、

停泊中のコンチェルトのデッキで朝ヨガが体験できます。
期間中、コンチェルト、ルミナス神戸が特別料金で

乗船できますので、

観光にも使うことができます。
異業種や同業他社が垣根を越え、

様々な角度からおもてなしを考え、街の活性化に向けての取り組みをしています。
青い表紙で大人気のコーベアーのガイドブックを、

いつもバッグに潜ませて、神戸の街歩きをしてみてください。

新しい発見がありますよ。
神戸ファッションウィークは、4月5日まで開催しています。

神戸ドールミュージアム

 

三宮のまさしく中央に、地図で見ると三角形の素敵な通りがあります。古くからの老舗やこだわりのお店が、あちこちにある神戸らしいストリートで、平成13年に”三宮中央通り”という愛称がつけられました。ここに2002年、開館した「神戸ドールミュージアム」があります。
オートマ- タ(機械仕掛人形)とアンティークドールの貴重なコレクションが約100体、整然と系統的に展示されています。特に、世界に3体しかないオートマ-タの< タバコを吸うダンディールネー >は、煙草をふかしたり、頭を左右に動かしたり、右手のステッキを振ったりというような繊細な動きもします。アンティークビスクドールは、当時の最新の流行のドレスを身にまとい、美しく豊かな表情でその精巧さに、しばらく見とれてしまいます。  19世紀のフランスの香りのするコレクション、港町神戸という街に良く似合っているなぁ、と改めて感じました。
わざわざこのミュージアムに足を運ばれる人の中には、服飾関連の研究や勉強をしている人もいるそうです。
一階のショップに飾られている愛らしいお人形さんと目があったら、中に入ってみてくださいね。レトロでセンスのよい絵はがきもたくさんあります。
10時~18時、水曜休。大人(高校生以上)500円●(327)4680

2015-2-27

絵葉書資料館

 

 

山陽電鉄の霞ヶ丘駅を降りて、坂道を少し上がっていくと閑静な住宅街の中に「絵葉書資料館」はあります。
2004年に自宅を改修し、全国で初めて絵はがきの資料館をオープンしたのは、藤野直計(ふじのなおかず)さんです。
骨董市で偶然目に留まったら古い絵葉書に魅せられて以来、全国の市や古書店で買い求め収集した絵はがきは、一万点を越える貴重なコレクションになりました。
日本では、私製絵はがきの使用が認められてた1900(明治33)年以降、ユニークな絵はがきがたくさん生まれ絵はがき文化の花が咲きました。
持っているだけではもったいないと、勤めていた会社を辞めて開館した資料館には、今や全国からコレクターや研究者が訪れる人気スポットになりました。来館者の中には、何時間も熱心に見学する人もいるそうです。 一枚一枚の絵はがきの、風景・風俗・文化などから、今はすでになくなってしまっだ古き良き時代゛の名残を感じとってみてください。
木・金・土11時~17時。高校生以上300円、小中学生 200円。
垂水区歌敷山1-7-20
●(705)1512

2015-1-30

「幻の公会堂と神戸モダニズム」展~ 入館無料・11月23日まで  ~神戸市文書館~

 

「神戸市文書館」は、1938(昭和13)年に神戸の財産家・池長孟(いけながはじめ)の私立美術館として建てられました。戦後、神戸市が美術品も含めて譲りけ、1965(昭和40)年には「市立南蛮美術館」として開館し市民に親しまれてきました。
その後、1982年に現在の市立博物館に《南蛮美術館》が設けられ、美術品が全部移され一旦閉館になりましたが、1989年から神戸市域に関する歴史的・文化的な価値のある文書や資料などを保存、閲覧できる文書館と開館しています。 神戸市では、大正・昭和と2回も建設が計画されながら戦争など時代の波に巻き込まれて、実現しなかった「幻の公会堂」がありました。2011年に収蔵品の整理をしていて、この時のコンペに応募された設計図や完成予想図などの資料が見つかりました。
今回は、手書きのモダンで芸術作品のような未公開の設計図の一部を間近で見ながら、゛神戸モダニズム゛に触れてみてください。
中央区熊内町 1-8-21
●(232)3437