JRの「朝霧駅」に降り立つのは、初めてでした。改札口を通る前に、眺めの良い場所がありますよ、と教えてくれたのは、職場の仲間であり、今日行こうとしているお店が出来た時からのファンでもある人からのアドバイスでした。
芦屋の自宅を早めに出て、光る海を見ながらワクワクと遠足気分です。駅の階段を上がると、大きなガラス越しに、その絶景ビューポイントが現れました。明石海峡大橋の先には淡路島が程よい距離で位置しています。夏のむくむくとした雲を背景に、色とりどりのビーチパラソルが並んでいて、この景色に、しばし足を止めて眺めていました。
さて、駅から線路沿いに歩いて15分くらい、まさしく住宅街の中に「シフォンの風」が、ひっそりと在りました。
オーナーの中村加奈さんがご自宅を改装して、「シフォンの風」をオープンしたのは、20年ほど前のことでした。
手入れの行き届いたこじんまりとした中庭には、大きなしだれ梅の木や、勢いのあるトクサ、大きなカラーがこぎれいに配置されています。お庭を眺めながらのテラス席が好きな人もおられるとのこと、野鳥や、気まぐれな野良猫たちがやって来るのもランチのお供にできそうでした。
この日は、ビーフシチューにサラダ、キュウリのおつけものに、わさび味ふりかけトッピングご飯、私は珍しくお代わりまでしてしまいました。食後は、吟味されたブレンド豆を、サイホンでたててくれました。
日替わりのメニューは豊富で、タコライス、コロコロステーキやホットサンドなど、加奈さんが自分で食べたいと思うものを、ネットなども駆使して研究しているとのことでした。
1日に何度も足を運ぶ人、美味しいコーヒーだけを飲みに来る人、また口コミで遠くから車でわざわざ来る人に加え、近所の子どもたちまで、安心して立ち寄ることができる”居場所”
になっています。
設えや調度品などが吟味されているのに加えて、北野町の有名なお店を設計した人の飛び抜けたセンスや拘りが、天井の壁紙から室内随所にあり、いくら眺めていても飽きることがありません。
でも、なんといっても、この居心地の良さは、ふんわり、ゆったりした加奈さんの纏っている空気かもしれません。
「cafe シフォンの風」には、いつも、柔らかなカーテン越しの風がそよそよ流れている、ようです。
明石市朝霧町1-20-1
10:00~16:00
日曜日休み 078-914-1231