「花を巡る文学散歩」は、 数年前から

案内所などで無料配布していた小さなガイドマップです。

平成16年より須磨区から西区まで12年かかりで9区すべてが揃いました。文学と花にまつわるエピソードが丁寧に説明されていて、コンパクトに折りたたまれ
ていますが、広げると大きな地図になっています。文学好きのひと、市内を川や花や史跡を巡るのに、ちょうど良い大きさでバッグにも邪魔にならずに収める
ことができる便利な指南書でした。が、区役所などの移転や営業時間の変更などで無料配布されなくなりました。
この度、その執筆者の野元さんにより、9区分の文学散歩が、新たに書き直されてまとめられ一冊の本になりました。今ではすでに見られない歴史上の貴重な写真に加え、作品の時代背景にまで深く広く掘り下げられた内容は、読み応えがあ
り、これだけで美しい作品になっています。季節から、好きな作家から、花からと、どこから開けても読むことが出来ます。そして、おそらく、
本好きを自負するどの人にとっても、目から鱗の内容に驚嘆されるのではないかな、と思います。
季節が良くなりました。この本をバッグに忍ばせて、市内のあちこちを逍遥してみてくださいね。
「こうべ文学逍遥」(野元正著 大国正美監修)は9月末から一般書店で
販売されています。
2023-9

いいね乙仲通り その2

先月号に引き続き、さらに奥深い乙仲通りをご案内したいと思います。
南京町を抜け南側のでは広い道路が栄町通りです。開港後1872(明治4)年に、この地が栄えますように、と名付けられたとり、1909(明治42)年に市電が走り始めると、たちまち経済の中心地になり「東洋のウォール街」と呼ばれるほど賑わいました。
その栄町通りと国道2号とに挟まれた東西約1㎞の通りが乙仲通りです。聞きなれない「乙仲」は税関で貨物を扱う事業者の略称です。が、この職種も戦後廃止されたにも関わらず、今だに「乙仲」が俗称として受け継がれています。
さて、ちゃんとしたランチがしたい時には、1912(大正元)年創業の「喜八」さんで、と教えてくれたのは、元町商店街の老舗の女将さんでした。
食後、デザートを食べたくて乙仲通りの数件西の「yellow」に行きました。こちらは昨2021(令和3)4月にできたばかりのジェラート屋さんです。以前は何のお店だったのか…。清潔でシンプルな店構え、ジェラートやソフトクリームの美味しさにたちまち虜になりました。キラキラした眼差しと嫌みのない対応の店員さんに、この美味しさの秘密を、聞いてみると、自社養鶏場でとれた卵を使っている、とのことです。合点がいきました。それから、私は毎週金曜日に届けられたばかり新鮮な卵を買いに行き、濃厚なたまごの卵黄のみのソフトクリームを食べるのが、週末の一番の楽しみになってます。
2009年にようやく愛称として認められて以来、この乙仲通は、ほどよく開発されていたり、そのまま残されていたり、の絶妙なバランスの良い界隈として進化しています。
大正レトロなお店と、また、まるでうみたて玉子のような顔をしたお店との共存が、心地い「やっぱり、いいね!」の乙仲通りです。

おとなの隠れ家 ~cafe シフォンの風~

JRの「朝霧駅」に降り立つのは、初めてでした。改札口を通る前に、眺めの良い場所がありますよ、と教えてくれたのは、職場の仲間であり、今日行こうとしているお店が出来た時からのファンでもある人からのアドバイスでした。
芦屋の自宅を早めに出て、光る海を見ながらワクワクと遠足気分です。駅の階段を上がると、大きなガラス越しに、その絶景ビューポイントが現れました。明石海峡大橋の先には淡路島が程よい距離で位置しています。夏のむくむくとした雲を背景に、色とりどりのビーチパラソルが並んでいて、この景色に、しばし足を止めて眺めていました。
さて、駅から線路沿いに歩いて15分くらい、まさしく住宅街の中に「シフォンの風」が、ひっそりと在りました。
オーナーの中村加奈さんがご自宅を改装して、「シフォンの風」をオープンしたのは、20年ほど前のことでした。
手入れの行き届いたこじんまりとした中庭には、大きなしだれ梅の木や、勢いのあるトクサ、大きなカラーがこぎれいに配置されています。お庭を眺めながらのテラス席が好きな人もおられるとのこと、野鳥や、気まぐれな野良猫たちがやって来るのもランチのお供にできそうでした。
この日は、ビーフシチューにサラダ、キュウリのおつけものに、わさび味ふりかけトッピングご飯、私は珍しくお代わりまでしてしまいました。食後は、吟味されたブレンド豆を、サイホンでたててくれました。
日替わりのメニューは豊富で、タコライス、コロコロステーキやホットサンドなど、加奈さんが自分で食べたいと思うものを、ネットなども駆使して研究しているとのことでした。
1日に何度も足を運ぶ人、美味しいコーヒーだけを飲みに来る人、また口コミで遠くから車でわざわざ来る人に加え、近所の子どもたちまで、安心して立ち寄ることができる”居場所”
になっています。
設えや調度品などが吟味されているのに加えて、北野町の有名なお店を設計した人の飛び抜けたセンスや拘りが、天井の壁紙から室内随所にあり、いくら眺めていても飽きることがありません。
でも、なんといっても、この居心地の良さは、ふんわり、ゆったりした加奈さんの纏っている空気かもしれません。
「cafe シフォンの風」には、いつも、柔らかなカーテン越しの風がそよそよ流れている、ようです。
明石市朝霧町1-20-1
10:00~16:00
日曜日休み  078-914-1231

有馬切手文化博物館

2005(平成17)年5月6日、約50万点の切手を所蔵する「有馬切手文化博物館」が開館しました。
世界的な切手収集家の金井宏之(かないひろゆき)さんが館長を務めていましたが、2012年に88歳で亡くなられています。
日本最初の切手「龍文切手」や、明治天皇ご成婚25周年で作られた初めての記念切手「明治銀婚」(明治27年)など、様々な貴重で珍しい切手が、年代順に展示されています。郵便の制度や切手の移り変わりだけではなく、その時代背景や文化までも学習できる楽しい博物館です。
他にも、世界最初の切手である「ペニー・ブラック」(1840年)や、世界に僅かしか発行されなかったモーリシャスの切手(1847年)も展示されています。
1871(明治4年)に日本で郵便が始まって以来の歴史が、全て凝縮されているかのような「切手文化博物館」は、盛岡で使われていた土蔵(1861年頃建設)を移築した建物です。
10時~16時、火曜日休館、大人500円、中・高生 200円、小学生以下無料
●(904)0024

2016-8-26

香雪美術館辺り

阪神御影駅から、山の手に向かって、テクテク歩きました。JRの高架下を抜けると、弓弦羽神社の石柱があります。それから、まだ山手幹線を渡るとようやく参道が見えてきました。
旧郡家村・御影村の氏神で、榎・樟などが茂る境内の森は、昭和49年に市の保護樹林に指定されています。桜の花びらが舞い落ちる中、境内を抜けて「香雪美術館」を訪れました。
朝日新聞社の創業者・村山龍平(むらやまりょうへい)が収集した古美術品を元に、1973(昭和48)年に開館した美術館で、館名の「香雪」は村山の号です。現在、企画展「生誕110年・三岸節子展」が開催されています。三岸節子は、1905年に愛知県に生まれ、東京に出て女子美術学校(現・女子美術大学)を首席で卒業しています。洋画家・三岸好太郎と結婚しますが、好太郎は31歳で急逝。その後、3人の子どもを抱えながらの苦しい暮らしに直面しながら、画家として生きていきます。
94歳まで絵筆をとり続け、亡くなった時にも指には絵の具が付いていたそうです。93歳での大作「さいたさいた さくらがさいた」は迫力のある作品です。
美術館のお庭と共に、御影山手の閑静な雰囲気や見事な石の塀なども見所です。
■三岸節子展
〜5月15日まで
10時〜17時、会期中無休
☎(841)0652

2016-4-22

西神ニュータウン物語  須磨ニュータウン物語

“ニュータウン”には歴史がないとよく言われますが、実は歴史があるのですよ、と穏やかに語って下さる人が大海一雄(おおみかずお)さんです。 神戸研究学園都市にある大学連携施設UNITYで「西神ニュータウンの建設と歴史」の公開講座をされていたのが、今から13年前のことでした。講座終了後、大海さんが代表となり希望者で研究会を立ち上げ、毎月ニュータウンの魅力や課題にに関しての例会を重ねてこられました。
2009年に出版された「西神ニュータウン物語」には、西神ニュータウンの歴史や、現状など全てが網羅されています。その後も「須磨ニュータウン物語」(2012年)、「神戸の住宅地物語」(2013年)を出版されて、神戸のニュータウンの3部作になっています。
大海さんは、神戸市の職員として長い間住宅地開発に携わってこられました。そして、自身もニュータウンに、住み代えながら住み続けてこられました。大海さんの、温かかいまなざしに溢れた本です。
ぜひとも、読んでみてください。
2016-1-1