街路樹

街歩きをすると時の私の楽しみの一つは街路樹を見ることです。
三宮から元町にかけては、私のとっておきの“街路樹スポット”があります。
大丸前のスクランブル交差点の辺りに、行灯(あんどん)のような形のぷっくりとしたハクモクレンが咲くと、春の兆しを感じることができます。
モクレンやコブシに紛れて気が付く人はほとんどいませんが“イペ”の木もあります。

実は、このイペの木はブラジルの国花です。2008年にブラジル移住100周年を記念して、鯉川筋に沿って7ヵ所に植樹されました。
鯉川筋は、かつて、海外への移住者が「旧海外移住センター」からメリケン波止場の乗船場まで、実際に歩いて通った道でした。
4月から5月にかけて、細い枝には不釣り合いな大きさの鮮やかな黄色の花をつけます道行く人は、
そのあまりに鮮やかで見慣れないイペの花を見上げながら、「何の木?」と話している光景を、私は何度も見かけました。
イペの木は、屋外での日差しや雨などにも強く過酷な環境にも耐えられるということで、ハーバーランドの海の広場のウッドデッキや神戸空港の展望デッキにも使われています。
鯉川筋で、黄色いイペの花に会うことができたならば、新天地での新しい人生の夢を抱いて神戸港から旅立った約25万人の人たちへ思いを馳せてみてください。

2013-4-19

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