いいね乙仲通り その2

先月号に引き続き、さらに奥深い乙仲通りをご案内したいと思います。
南京町を抜け南側のでは広い道路が栄町通りです。開港後1872(明治4)年に、この地が栄えますように、と名付けられたとり、1909(明治42)年に市電が走り始めると、たちまち経済の中心地になり「東洋のウォール街」と呼ばれるほど賑わいました。
その栄町通りと国道2号とに挟まれた東西約1㎞の通りが乙仲通りです。聞きなれない「乙仲」は税関で貨物を扱う事業者の略称です。が、この職種も戦後廃止されたにも関わらず、今だに「乙仲」が俗称として受け継がれています。
さて、ちゃんとしたランチがしたい時には、1912(大正元)年創業の「喜八」さんで、と教えてくれたのは、元町商店街の老舗の女将さんでした。
食後、デザートを食べたくて乙仲通りの数件西の「yellow」に行きました。こちらは昨2021(令和3)4月にできたばかりのジェラート屋さんです。以前は何のお店だったのか…。清潔でシンプルな店構え、ジェラートやソフトクリームの美味しさにたちまち虜になりました。キラキラした眼差しと嫌みのない対応の店員さんに、この美味しさの秘密を、聞いてみると、自社養鶏場でとれた卵を使っている、とのことです。合点がいきました。それから、私は毎週金曜日に届けられたばかり新鮮な卵を買いに行き、濃厚なたまごの卵黄のみのソフトクリームを食べるのが、週末の一番の楽しみになってます。
2009年にようやく愛称として認められて以来、この乙仲通は、ほどよく開発されていたり、そのまま残されていたり、の絶妙なバランスの良い界隈として進化しています。
大正レトロなお店と、また、まるでうみたて玉子のような顔をしたお店との共存が、心地い「やっぱり、いいね!」の乙仲通りです。

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