幻の徳川道2

前回は、幕末に開港した神戸に在住する外国人と、日本人との衝突を避けるために作られた「徳川道」のことを書かせてもらいました。
現在の金額で約32億円の莫大な出費と、わずか2ヶ月という幕府の威信をかけた突貫工事で普請された「徳川道」は、大名行列が参勤交代で通ることは一度もなく、”幻の道”になってしまいました。
さて、神戸ヒヨコ登山会の例会として「幻の徳川道(全行程)を歩く」という企画がありました。
一回目は4月8日に東の起点、阪神石屋川駅~杣谷峠~穂高湖~森林植物園までの約10キロを歩きました。この日は途中で季節外れの雪が舞い、山桜との見事な景色を眺めることができました。六甲山上の道は平坦で、コバノミツバツツジがひそやかに咲いているのを右に左に眺めながら歩くことができました。
二回目は、森林植物園からでしたが、途中で降りだした土砂降りの雨で西鈴蘭台で中止になり、6月9日にその続きを歩きました。星和台~藍那~しあわせの村~大歳神社~奥畑団地造成地区~総合運動公園前までの全部で約13キロ。住宅地や山中など起伏に富んだ道でした。
三回目は、総合運動公園前~奥畑~高塚山~長坂~神戸学院大学前~朝霧~大蔵海岸までの約10キロ。
全行程約8里(約32キロ)を歩きとおしてみると、既存の道も使いながら、行列の人馬の負担を軽減できるように、なるべく歩きやすく起伏は作らないような配慮もなされていました。
驚きは、この難所も含めたたいへんな工事を請け負った石井村の庄屋、谷勘兵衛さんと25ヵ村の人たちの結束力です。
「幻の道 徳川道」は、昭和50年から三年係りで本格的な調査がなされて、それから全コースを整備されました。
神戸の宝でもある歴史的な道「徳川道」、地図上だけでも一度俯瞰してみてください。

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