寒さの角が取れ、どことはなしに春の気配がしてきました。毎日眺めている六甲山も笑いかけているようです。異人館、居留地に代表される神戸ですが、「神戸ブランド」として誇るべきもののひとつに「花」があるのを知っていますか。
神戸市域の1/3占める北区、西区には豊かな農業エリアが広がり、花の栽培にも適した温暖な気候に恵まれ、花の生産が行われています。
伊川谷町(西区)での切り花の栽培は、明治初年から始まっていますから100年以上の歴史があります。また、淡河町(北区)では、昭和28年に「新鉄砲ゆり」を導入。その後、系統を選び交配を重ねた結果できた「ミスオーゴ」などのオリジナル品種を育てるのに成功し、これは門外不出として商標登録もされました。洋花のユリの代表のような「カサブランカ」と比べた違いを尋ねてみると、淡河の新鉄砲ユリは1本の枝に3~5輪の花がつき、それらが下向きに咲くのではなくやや上向きに咲き、横から見たその姿はまるでラッパのようでもあり、清楚で涼しげ、凛とした風格はため息が出るほどの美しさと…、褒め言葉は止まりません。そんな「淡河の鉄砲ユリ」は7月から出荷開始。(10月位まで)どこかで是非、一目見てくださいね。
ユリが終わるとチューリップの出番です。これも今から60年以上も前に富山県から球根を仕入れ取り組み始めたのがチューリップ生産の発端となりました。その後、貿易の自由化に伴いオランダから球根の輸入もし、今年は181品種80万本ものチューリップが出荷されています。
神戸は、冬場も好天に恵まれることから、花は大きく色鮮やかなだけでなく、葉の色までも鮮やかで、市場の仲買人さんたちの評価は高く人気があり、全国的にも折り紙つきの品質だそうです。パンや洋菓子に、神戸産の花を添えてのプレゼントも、神戸らしさがプラスされた素敵な贈り物だと思いませんか。
今「花物語」として神戸の花全体のブランド化が進められり、神戸市内産のお花を扱っている小売店は東灘区や中央区に10店舗あります。3月1~3日に、ハーバーランド「デュオドーム」において行われるイベント「神戸花物語」には、切り花、鉢物併せて2万本の花で溢れています。会場では、「これがチューリップ!?」と目を見張るたくさんの可愛らしい花と、それらを愛しみ大切に育てた生産者の方々にも会えますよ。