神戸すま張り子館

 

私が、張り子作家の吉岡武徳さんと出会ったのは、18年前のことです。まるで、民話の世界から抜け出てきた゛仙人゛のような印象の人で、たちまちその人柄に惹きつけられました。
その、吉岡さんの工房と展示を兼ねたアトリエが「神戸すま張り子館」です。元町の山手、再度山の麓に、1994年に開かれたこの工房には、大小数千点の張り子がぎっしりと並んでいます。
中学の理科の先生をしていた吉岡さんが、郷土玩具の張り子と出会い、そのほのぼのした温かさに魅了されたのは、42歳の時でした。夏休みなどを利用してあちこちの作家を訪ね、技術を伝授してもらおうとしますが、そう簡単には教えてもらえません。職人さんたちの技を見覚え、自分なりに工夫して、独学で技術を重ねていきます。本格的に張り子に取り組んだのは、退職してからです。
何回もの工程を経てようやく出来上がる張り子、小さな作品でも1ヶ月、大きな物だと数ヶ月はかかるそうです。
かつては、城下町では大抵張り子が作られていましたが、今では、張り子職人さんも減ってきているようです。
ー吉岡さんにとっての張り子の魅力は?とたずねたら、紙の温かさに触れ、とにかく楽しい、とこたえてくださいました。
もともと神戸にはなかった張り子、吉岡さん独自の創作張り子を、もっとたくさんの人に手にとって見てほしいと思います。
神戸すま張り子館 中央区再度谷48 電話・FAX 362 ~1826
(事前に連絡を)

2013-10-18

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