【No.1表示】

2月~3月といえば受験シーズン真っ只中。受験生のみなさんは、追い込みに余念のないことと思われます。また、これから受験勉強を始めようというみなさんは、学習塾や予備校の広告やパンフレットなどを見ながら、どこに通おうかと考えているところかも知れません。

さて、受験産業の中核を担う塾や予備校の宣伝文句に、「合格実績No.1」とか、「合格実績地域No.1」とかいう言葉をよく見かけます。

これがもし、何の限定もなく「合格実績No.1」と書かれていたのであれば、一般消費者は、日本全国におけるNo.1と理解する可能性があるので、本当に日本一でないのであれば、景品表示法上の不当表示に当たる可能性があります。

また、本当に日本一を達成したことがあったとしても、それがたとえば5年前のことなのに何の限定もなく記載されていれば、直近の実績と誤解される可能性がありますので、やはり不当表示に当たる可能性があります。

では、「地域」との限定が付いていればどうでしょうか?単に地域といっても抽象的で、人によって想定する範囲は異なります。「神戸市中央区●●町ではNo.1です」といっても、塾や予備校の商圏から考えて、ちょっと苦しいですよね。ですので、この場合も、具体的にはどの範囲のことなのか明示するなどしなければ、やはり不当表示に当たる可能性があります。

最近は、あからさまな不当表示は減っているような印象はありますが、そうであるからこそ、不当表示に該当するということになってしまうと、かえって企業のイメージを損ないます。受験産業に従事されているみなさんは、受験生やそのご家族が誤認するような文言は避けるよう注意してください。受験生のみなさんは、自分に合った環境で気持ちよく勉強して、ご希望の路に進まれますよう、心よりお祈りしています。

2024-2

 

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