４月になり、お子さんが進学したのを機にスマートフォンを持たせよう、という親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。また、新しい環境に身を置くことが多い時期ですので、ＳＮＳでの人間関係も急に拡大しがちです。
このように、未成年の方、あるいは成年者でも若い方のネット環境が変わることで巻き込まれがちなトラブルは、身に覚えのない高額請求、身に覚えがないわけではない高額請求、ＳＮＳ等における名誉棄損、プライバシー侵害被害等、多岐にわたります。社会経験の少ない方は一方的で高圧的な請求や悪意のある表現にうろたえてしまい、追い銭的に被害が拡大したり、名誉棄損行為がエスカレートしたりすることがままあります。
インターネットは、匿名性と拡散の容易さに大きな特徴があり、いったん被害が出るとなかなかその回復が困難であるという傾向があります。ましてや「身に覚えがないわけではない」場合には、なるべく内密に処理したいという気持ちが強くなり、さらに被害が拡大することが多いように思われます。
インターネット絡みでヒヤッとしたら、一番大切なのは「慌てない」こと。「今すぐ払えば大目にみます」的な文言は、120％ウソと断言できます。絶対に払ってはいけません。
そして次に大切なのは、「信頼できる人に相談する」こと。一人で抱え込むとロクな発想に至りません。人に話すことで気持ちも落ち着いて、自分の思考を整理することもできます。
インターネットは、正しく活用すれば、本来は果てしなく便利なものです。以上のような対処法を頭に入れて、安全に活用して下さい。

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兵庫県弁護士会所属　　弁護士　　佐々木　　伸