遺産分割規定の改正試案

先日、法制審議会は、亡くなった人の財産を分ける遺産分割についての民法の規定を見直す試案をまとめました。その中でも目玉は、「①婚姻期間が20年以上の夫婦の場合、②配偶者に住居を生前贈与するか遺言で贈与の意思を示した場合には、その住居は遺産に含まない。」という規定です。
「遺産に含まない。」ということは、相続の話とは無関係ということですので、他の相続人から文句が出たとしても、残された配偶者は、当該住居を自分の物にできることになります。
これまでの規定では、いくら遺言を作成していても、完全には残された配偶者を保護しきれない場合があり得ましたので、残された配偶者保護の観点からは、かなり進んだ改正案であると評価できます。
もっとも、この案が通ったとしても、この規定による保護を受けようとするなら、遺言の作成は必須となります。また、この案が通るまでは従前通りの扱いになりますので、望む形を実現したいのであれば、やはり遺言の作成が必須となります。
遺言の書き方は繊細な部分があり、書き方を間違えれば思った通りの結果を得られない場合もあります。ご自身の生前の意思を、ご自身がお亡くなりになられた後に確実に反映したいとお考えであれば、是非お近くの専門家にご相談下さい。

初回相談無料  お気軽にご相談ください
平野・佐々木法律事務所   ☎078-351-7687
兵庫県弁護士会所属  弁護士  佐々木  伸

コメントを追加する

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です