胚培養士ってどんなお仕事

久保みずきレディースクリニック菅原記念診療所(西区)
堀部晃央 胚培養士

胚培養士とは、医師の指導の下で顕微授精や体外授精などの生殖補助医療(ART)ヲ行う医療技術者。晩婚化がすすむ日本において、2012年の統計では、ARTにより、妊娠、出生した赤ちゃんが約38000人、同年の総出生児数から計算すると、27人に1人の割合です。この数字は、10年前の3倍以上、正に今、求められている医療技術者として注目が集まっている職業でもあります。
胚培養士には、生殖補助医療胚培養士と臨床エンブリオロジストという2つの認定制度があり、高い知識や技術はもちろん、高い倫理観も要求されます。多くは、臨床検査技師や大学で生殖に関することを学んだ人が就いています。
堀部晃央さんは胚培養士として働く一方、昨年、大学の博士課程に入学し、さらに高い知識や技術が求められる生殖補助医療管理胚培養士の資格取得を目指して勉強をしています。大学では精子に関する研究を行っており、「少しでも不妊に悩む方の手助けをしたい。また、学んだ知識を日々の仕事に生かしていきたい」と話します。
久保みずきレディースクリニックでは、不妊に悩む多くの人々に希望と喜びを与えてきましたが、中には、年齢的に40代では妊娠しづらくなることを知らず、結果的に諦めることになった人々にも出会ってきました。そんな時に「知識があれば、人生設計がもう少し計画的にできたのではないか」、「なるべく早く治療を開始することが一番の治療法」と考え、クリニック主催の妊娠セミナー(6月6日開催)を企画しました。
あるアンケート調査の結果によると、妊娠に関する知識があった女性のほうがない女性と比べて子どものいる割合が高く、また、早期に妊娠、出産をしていたという報告があるそう。「知識がないために、治療の開始が遅れ、妊娠を諦めなければならなくなる方が1人でも減ってほしい」と、堀部さん。
クリニックにて企画したセミナーは、不妊相談や不妊治療に携わる医師、看護師、胚培養士が登場します。この時間が人生のかけがえのない時間になる人も少なくないかもしれませんね。

2015-4-24