「自転車」の飲酒運転で懲戒免職

千葉県教育委員会が、特別支援学校の教諭を「自転車の飲酒運転」で懲戒免職にしたというニュースが報じられました。自転車での飲酒運転はこれまでも法律で禁じられていましたが、令和5年11月の道路交通法改正によって罰則が明確化され、社会的にも厳しく取り扱われるようになりました。
今回の教員の場合は、刑事処分としては不起訴(起訴猶予)になりましたが、勤務先の教育委員会は「懲戒免職」という重い処分を選択しました。
読者のみなさまの中には、自転車の飲酒運転くらいでなぜ「免職」まで?と思われる方もいらっしゃるでしょう。もちろん、本件の処分において、当事者が公務員、まして教員であるということで、
「児童生徒の模範となるべき立場にある教員としての信用を失墜させた」という事情が、処分の重さに大きく影響したことは間違いありません。ルールを守るという規範意識が教員として強く求められ
ることは当然ですし、教員でなくてもそれは同じことです。
しかし、もっと根本的には、「自転車により死亡を含む重大な結果が発生する」という厳然たる事実をまず認識する必要があります。その認識を前提として、社会としては、利便性を享受しつつ、危険性を減退させるべく共有のルールを設定しています。そしてルールを設定した以上、ルールを逸脱する行為は他人からは想定外の行為となりますので、事故が発生する確率が上がります。
単に「ルールだから」「コンプライアンスの時代だから」というのではなく、「ルールを逸脱することで重大な結果が発生する確率が上がる」という仕組を理解した上で、凶器となりうるアイテムを
操作しているのだということを肝に銘じて、自転車を利用してください。

2025-11