雇用主と労働者は、労働契約によって勤務時間につき合意していますので、基本的には、勤務時間外に何をして過ごしても自由です。
もっとも、労働者が雇用主に対して勤務時間内に誠実な労務を提供するためには、勤務時間外に精神的肉体的な疲労回復に努める必要があります。
ですので、たとえば副業が長時間に及ぶなど、本業の労務の誠実な提供に支障を来す蓋然性が高い場合などは、副業禁止規定に基づく懲戒処分が有効となることがあります。逆に、たとえば時間的肉体的な負荷をあまりかけずに動画配信して収益を得るような場合などは、処分が無効となることもあるでしょう。
もっとも、業務上の秘密が漏洩する場合や、競業により雇用主の利益が害される場合、雇用主の名誉や信頼を損なう場合なども、処分が有効になることがあるとされていますので、それこそ動画配信による副業の際には、注意が必要となります。
平成30年に厚労省から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が発出された(令和2年改訂)こともあり、近年、副業が認められるケースが増えていると言われています。
とは言え、人間の体力には限界がありますから、勤務時間外でしっかりとリカバリーする必要性もまた、否めないところです。
副業を考えておられる場合も、本業に支障が出ないよう配慮して仕事を選ぶようにしてください。なお、上記の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、副業を考えておられる方も、雇用主の方も、一読をお勧めします。
2025-4