中学校での物理の授業も、もっとも難しい壁である「オームの法則」「合成抵抗」「ジュールの法則」「電力と電力量」など学習を毎時間実験を通して学び、「電流と磁界」で3学期の授業を終えようとしています。

「むつかしい!」「わからない」という悲鳴も聞こえてきますが、「おもしろい!」「よくわかる」と喜んでくれる生徒も多くいます。かつて公立中学校での授業では、多くのリード線と部品をつないでやっていたので時間がかかった実験も、「回路カード」を使って誰でも簡単にできて、電流と電圧と抵抗の関係を調べ、「発見」「確かめ」「応用」できます。どんどん自分で考え、自分の手を出して実験をする生徒には「おもしろく」「楽しい」学習ですが、苦手意識が先立ち手を出そうとしない生徒もいます。その違いはどこから生まれるのだろうと考えてしまいます。

そんな時、埼玉に住む息子家族がやってきました。5歳になる孫は2階のおじいちゃんの部屋にあるいろんなゲーム、実験道具、工作材料で遊ぶことを楽しみにしています。トランプやふうせん、シャボン玉で遊んでいた孫に試しに回路カードを渡してみました。乾電池、豆電球、モーターのセットです。どうすれば豆電球がつくか、明るくする方法をやって見せました。自分でいろいろやっているうちに、豆電球とモーターを直列につなぐと電球は点灯するし、モーターも回ることを発見しました。そのモーターを手で押さえて止めると電球がとても明るくなることに気づき、熱中して何度も何度もやってみて喜んでいます。難しい理屈はわからなくても、このような幼い時からの興味をもって熱中する体験がとても大切なんだろうと思いました。

同じ時期に、金沢の大学で教員養成課程の授業をしている藤井徳子先生から「回路カードを使った授業をしたい」と申し出があり、開発者の森本雄一さんにお願いしてセットを製作して送りました。「大成功でわかりやすかった」と報告がありました。幼児から大学生までが楽しく学べる回路カード実験セットを広く普及したいものです。

 

2025-02