大震災から30年目の2025年1月17日に神戸市立西神中学校の防災学習で「阪神淡路大震災とはどんな地震災害だったかー南海トラフ地震への備えを考える」というテーマで話をしました。1年生は対面で、2・3年生は教室のテレビモニターの映像で聞きました。

はじめに「大地震」と「大地震」の違いを問いました。地震は「断層が動く」ことで発生し、地面が振動する自然の現象です。その地震によって起こる人間と社会の被害を震災と呼びます。人が住んでいなければ震災にはならないし、大地震が起こっても備えがしっかりしていれば大震災になりません。今、日本のどこでも、いつでも大地震が発生しても不思議ではない時代を迎えています。

いくつかの実験をしながら、なぜ地震が起こるのか、日本でなぜ地震が多いのかなどを考えます。神戸でなぜ大地震が起こったのかを説明しました。兵庫県南部地震で六甲山が少し高くなったこと、この地震は六甲変動の一コマであること、六甲山地は100万年間に1000回の地震を起こして約1000mの高さになったと。西日本の地震には活動期と静穏期が交互の繰り返していて、兵庫県南部地震は静穏期の終了と活動期の始まりを告げる地震でした。活動期には南海トラフを震源とするマグニチュード8以上の地震が起こります。海溝型の南海トラフ地震は100年~150年の間隔で必ず起こる地震です。30年以内に発生する確率は80%とされています。どのように備えたらいいのかは、東日本大震災での宮城県石巻市の「大川小学校の悲劇」と岩手県釜石市での「釜石の奇跡」の事例を紹介し考えてもらいました。最後に「人間は自然には勝てない」「でも被害を少なくすることはできる」「自分の命は自分で守る判断力と行動力をもとう」と強調しました。

1年生はまだ理科の授業で地震の学習をしていなかったのですが、とっても熱心に話を聞いてくれ、私の質問に対して、積極的に発言をしてくれました。その反応はとてもさわやかでした。

 

写真 大地震4日前の授業のプリント

2025-01