恐竜は中生代に栄えた動物です。かつてはワニやトカゲ、カメと同じ「は虫類」と考え
られていました。ところが最近では、恐竜の仲間で唯一新生代まで生き残ったのが鳥類で
あると考えられるようになっています。兵庫県でもたくさん見つかっています。その中
で有名なのは2006年に発見された丹波竜です。
篠山層群と呼ばれる白亜紀の地層から大型の植物食恐竜の化石を発見したのは元高校教
師の足立洌さんと村上茂さんです。報告を受けた兵庫県立人と自然の博物館(ひとはく)は、研究
チームをつくり、地元のボランティアと協同で2012年冬までに第6次の発掘を行ないました。
見つかった恐竜は体長が15mほどの竜脚類・ティタノサウルス形類で、「丹波竜」と呼ばれました。
多数の尾椎、肋骨、骨盤、頭部などが発掘され、研究の結果、新属新種であることがわかり
タンバティタニス・アミキティアエと命名されました。直訳すると「友情の丹波の女巨人」。
周辺から小型肉食恐竜のティラノサウルス類の歯やイグアノドンの仲間の歯、トリケラトプ
スの仲間、丹波竜の消化管にあったと思われる胃石や糞、卵殻なども見つかりました。人類につな
がる国内で最古級のほ乳類も出てきました。
丹波市は「丹波化石工房」(ちーたんの館)を整備し、化石クリーニング作業がここで常時行
なわれています。発掘現場の再現や丹波竜の復元全身骨格を始め、多数の発掘された化石(実物・
レプリカ)が展示されています。化石発見現場の「丹波竜の里公園」には全長15mの丹波竜モニュ
メント(写真)があり、発掘現場から取り出した地層の岩片が袋につめられて保存されていて、そ
の岩片を割って「化石発見体験」ができます。三田市にある「ひとはく」でも恐竜に出会えます。

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