回路カードを使った電気学習が、いよいよ本格的に始まりました。実験セットを、このシステムの開発者である森本雄一さん(かがく教育研究所代表・たつの科学館)に22セット作っていただきました。理科室の机は4人で1つの班ですが、4人グループで実験をするのではなく、2人で1つの実験セットを使って、実際に自分の手で電気回路を組み立てて実験ができるように準備をしました。2人でやれば、相談しながらできるのではないかというねらいがあります。

1時間目の授業では、「豆電球1個、乾電池1個、導線1本だけで、豆電球をつける」という課題に挑戦します。一人一人がやります。なかなか苦労しますが、少しヒント(豆電球のおしりと横の金属に着目してみましょう)を与えると「ついた!」という生徒が次々に出てきます。従来のミノムシクリップつきの導線を使って豆電球を点灯する回路を示し、それに対して新しいシステムである回路カード実験セットを配布します。回路には、電源と電流の仕事場とそれをつなぐ導線が必要です。まず、1個の豆電球を乾電池1個でつけます。次に乾電池を2個直列につないでみます。とても明るくつきます。豆電球をモーターに変えます。乾電池の+と−を逆にすると回転が逆になることを確かめます。ブザーを鳴らします。+と−を逆にするとなりません。発光ダイオード(LED)を点灯させます。これは乾電池を2個直列にして、長い足を+につながないとつきません。これだけの実験を導線をつなぎ直すのではなく、部品を置き直すだけでできてしまいます。すべての課題が終わったグループには、「いろいろな回路を工夫して作ってみよう」というと、モーターとブザーを直列や並列につないだり、モーターについているプロペラを高速回転させて、ヘリコプターのように飛ばしたりする工夫も出てきて、「回路を楽しむ」様子がうかがえました。

次の時間は、「直列回路と並列回路の電流を調べよう」に挑戦します。

 

写真 豆電球を電池1個と導線1本でつける

写真 豆電球を回路カードで点灯す

2024-11