生前贈与①

いわゆる「暦年課税」の制度を活用し、毎年110万円までを、お子さんやお孫さんに贈与する、という相続税対策は、多くの方がご存知だと思います。
しかし、「贈与」というのは契約ですので、「あげますよ」「もらいますよ」という意思の合致が必要です。つまり、もらった側がもらったことを認識していなければならないということです。
ですので、たとえば、幼いお孫さんや、その親権者が全然知らないところで、お孫さん名義の口座に入金していたとしても、それは単に財産の保管先を孫名義の口座にしたというだけであって、贈与は成立しません。
そうすると、相続時の税務調査の際にも、贈与が否認されてしまって、暦年課税の恩恵が受けられない可能性がでてきます。
このようなことにならないようにするためには、「あげます」「もらいます」を明確化する必要があります。そして、そのために一番簡単な方法は、「贈与契約書」を作成することです。
贈与契約書の作成は、そう難しいものではありませんので、ご自身でも作れるとは思います。
しかし、一度作れば毎年使えますので、最初だけ費用を使ってでもきちんとしたものを作られることをお勧めします。ぜひ、身近な弁護士や司法書士などの専門家にご相談下さい。

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兵庫県弁護士会所属  弁護士  佐々木  伸

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