クーリングオフについての誤解

一定期間、無条件で契約を解除できる「クーリングオフ」という制度については、かなり浸透しており、ご存じの方も多いと思います。

もっとも、このクーリングオフは、特定商取引法で規定されている制度なのですが、特定商取引法は、どんな契約についても適用されるものではなく、継続的な役務提供契約については、政令で指定された役務についてのみ適用されるものです。

なので、たとえば、薄毛治療などは、指定役務である美容医療に含まれないことから特定商取引法の適用がなく、したがってクーリングオフの規定も適用されないことになります。特定商取引法の適用がないので、中途解約の規定なども適用されません。

例に挙げた薄毛治療は保険が適用されない自由診療で、高額になることが多いこともあって、クーリングオフできないことを知らなかった消費者による相談が増えているようです。

現在、特定継続的役務として指定されているのは(エステ/美容医療/語学教室/家庭教師/学習塾/パソコン教室/結婚相手紹介サービス)の7つで、さらにそれぞれ、期間や金額で絞られます。

特定商取引法はいかなる契約にも適用されるものではない、ということをご存じなかった方は、これを機に認識を改められ、また、特に高額な契約を締結する場合には、契約類型を問わず、慎重に検討されることをお勧めします。

2023-11

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