管理職に就きたくない!

最近、「社員が管理職への昇進を固辞するんだけど、どうしたもんか?」という相談を時々お受けします。よく聞いてみると、どうもその社員さんは、「管理職」に就くと「残業代が支払われない」と考えておられ、仕事量倍増の割には給料は微増もしくは据え置き、そんななんやってられるかい!というのが前提にあるようです。

しかし、残業代が出ないのは労基法第41条2号の「管理監督者」に該当する場合ですが、これは非常に狭い概念で、多くの管理職はこれにあたりません。すなわち、管理職であっても多くの場合残業代を受けられるということになりますので、まず、労使ともこの誤解を解く必要があるとおもいます。

もっとも、これで話が済むわけではありません。仮に残業代が出たとしても、仕事量や責任に比して実入りが少ないということには変わりはなく、終身雇用も保証されない中で、何故に昇進などと言う「不利益処分」を受けなくてはならないのか?―そう、昇進が事実上「不利益処分」になってしまっていることが問題の根幹なわけです。

そうすると、会社側は管理職にそれなりの人材に就いてもらおうと思うのなら、仕事量や責任と待遇のバランスを今一度考えなくてはならないということになります。
「やりがい」などというものは、「好きな対象に貢献していると感じられる」ことで得られるものですから、「やりがいを押し付けてくる会社」の仕事に対して感じられるわけはないのです。昇進が不利益処分ではなく嬉しいことに感じてもらえるような待遇を明確に打ち出す必要があるように感じています。

2022-10

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