電動キックボード

全国的に利用者が増えているといわれる電動キックボード。神戸市でも、実証実験や体験会が開催されるなど、電動キックボードの普及に向けた取り組みが進められており、手軽な移動手段として注目を集めています。
 この電動キックボード、見た目は自転車よりも小さいくらいですが、電動式のモーターを使って動くものがほとんどで、現行法上、原動機付自転車として扱われています。すなわち、公道を走行する際には、ナンバーの取得、運転免許証の携帯、ヘルメットの着用が義務付けられています。また、歩道での走行はそもそも禁止されています。
このように、見た目は小さくてもある程度の出力を持つ乗り物ですから、ルール、マナーに則った運転をしないと事故につながります。実際、事故や違反行為が相次いでいることから、電動キックボードの違反走行に対する交通反則切符(青切符)の交付を始める地域も出てきたという話も聞きます。
自転車事故の深刻さが世に知られ、ルールの遵守や保険加入の重要性について説かれはじめてもう随分月日が経ちます。それでも(もちろん多くの方はちゃんとルールを守って乗っておられますが)配達サービスの方の無謀運転などを見ると、まだまだ自転車社会としては成熟していないと考えざるをえません。キックボードについても同様に、安全意識の向上、交通ルールの整備及び周知についてはきっとかなりの時間がかかるのだろうなと予想しています。
利便性とリスク回避のバランスはどのような分野の話でも永遠のテーマではありますが、交通規範としては安全に優るものはないはずです。また現行のモデルを前提にすると、それなりに運動能力のある人しか乗るのは難しいようにも思え、果たして必要性がどこまであるのかという疑問もあります。どのような規制・運用になるにしても、事故につながりうる乗り物に乗っているという自覚を忘れないような仕組みづくりが重要だと考えます。
2022-1

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