リモートハラスメント

リモートワークは、「職場の同僚・上司・部下と直接顔を合わせない」という特徴があり、コミュニケーションはメールやチャットによる比重が大きくなります。

メールやチャットでは、たしかに用件はわかりやすく、残る形で伝えることができますが、反面、微妙なニュアンスは伝わりにくく、雑談等もしにくいので、雰囲気はどうしても堅くなります。たとえば、「依頼していた件、どうなっていますか?」というセンテンスにしても、対面で口頭でならその言い方や表情などで柔らかさを出すことが出来ていたのに、文章にすると詰問調に捉えられてしまう、ということもありえます。そうすると、発信者側がこれまでと同じつもりでコミュニケーションを図っていたとしても、受信側がこれをパワハラだと解釈するような場面も増える可能性があります。

そのような事態を防ぐためには、メールの文体をこれまで以上に丁寧かつ柔らかい表現にするなどの工夫が必要ですし、場合によっては電話で補足するなどの労もいとわない心構えが大切になってきます。

また、リモートワークには、「公私」「オンオフ」の区別が曖昧になってしまう、という特徴もあります。使用者、管理者側としては業務時間中なのだから仕事に専念して欲しいと思うのは当然ですが、ウェブ会議中に子どもがまとわりついて画面に登場してしまう、などということは自宅勤務であれば当たり前に想定されるところです。

このような場合も、不用意にこれを非難するような声かけをすると、はパワハラやマタハラに該当するということも考えられます。リモートワークは信頼が基盤ですので、ある程度の私生活の混在には寛容であることが求められるのです。

このように、リモートワークゆえのコミュニケーションの変質により、今まで避けられたハラスメントが発生する可能性があります。「丁寧」と「寛容」を旨として、良質なコミュニケーションをこころがけてください。

 

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