テレワークと著作権侵害

テレワークについては、労務管理上の問題点が多く指摘されています。

しかし、それ以外にも、著作権についても配慮しなければならない問題点がいくつかあります。

たとえば、テレワーク化に伴い、社員に業務用PCを貸与するのではなく、社員個人のPCを業務に使用することを認める場合もあると思います。その場合に、同じ社員が同じ業務に使用するのだからということで、会社のPCにインストールしていた業務用ソフトウェアを社員個人のPCにインストールして使用させても構わないでしょうか。

しかし、業務用ソフトのライセンス契約では、インストール可能な「端末数」を制限していることがほとんどです。ですので、社員個人のPCにインストールさせようとする場合も、購入済みのライセンス数を超えないように注意しなければなりません。そうでなければ、プログラムの著作者の著作権の一環としての「複製権」を害することになります。

また、個人のPCにインストールさせる際に、個人ユーザ向けのライセンスを購入してそれを会社の業務に用いることは、ライセンス契約に違反する場合があります。

このような場合以外にも、たとえば、社内報やその他資料に使用する画像等について、紙媒体前提に著作権の問題をクリアしていたとしても、これをサーバー保存してリモートワーク中の従業員にダウンロードさせた場合には「自動公衆送信」に該当し、別途著作者からの許諾が必要ということになります。

このように、テレワークにおいては、主に業務のツールとしてのソフトの使用形態と、成果物の一部に第三者の著作物が入っている場合に、著作権の問題が生じます。労務管理以外にもこういった点にも目配りしながら、テレワークの体制を整えていきましょう。

 

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