~「裁判したら勝てますか?」②証拠があります!?

前号の冒頭で少し触れましたが、裁判で勝つ要件は、めちゃくちゃ単純にいうと、
①求めている内容が、法的な解決になじむこと

(「心の底から謝って欲しい」とか、そういうのは無理。)。

②言い分とストーリーが、ある程度合理的であること。

③言い分とかストーリーを裏付ける証拠があること、の3つです。

相談に来られた方にも、この3つが必要なんですよ、というお話はもちろんさせて頂きますので、①と②を満たすご相談内容であれば、次は、「では、お話を裏付ける証拠はありますか?」とこ賃問させて頂くことになります。「もちろんです。」と自信満々でお答えになる方も、もちろんいらっしゃいます。
しかし、その中には、私たちから見れば「証拠」とは言えない場合も多くあります。たとえば、「BさんがAさんに、会社の経営が苦しいことを打ち明けたことがある」ことを証明するメール等が存在したとしても、それだけでは「AさんがBさんにお金を貸した」ことの証拠にはなりません。

また、「私はウソをつく人間ではない!そんな私がいうことなんだから間違いない。」と力説される方もおられますが、当事者や利害関係人の証言は、それだけでは十分な証明力がないとされる場合が多いです。
これら以外にも、「相手が証拠を持っている。それを出させれば一目瞭然だ!」という方も多いですね。気持ちはわかりますが、裁判では、基本的には自分に不利な証拠を出す義務はありませんので、この言い分が通ることもあまりありません。
このように、裁判で通用する証明をするということは、思ったよりも難しいものです。どのような証拠が裁判で通用するのか、ひいてはトラブル回避のために普段からどのような準備を整えておけばいいのかということは、裁判のプロの弁護士が熟知しています。事業をされていない方でも、不動産の賃貸借や投資などの取引をされる際には、是非身近な弁護士に相談してみて下さい。

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