ご注意!網棚に荷物を上げるとき

先日、「電車内で網棚に重さ約7~8kgのカバンを載せようとしたところ、これに失敗し、落下したカバンが座っていた乗客の頭部を直撃し、頚椎捻挫等の傷害を負った」というショッキングな事案についての判決が出まして、被害者に対して、約430万円の損害賠償請求が認められました。

電車内で網棚に荷物を載せるという、誰にとっても極めて日常的で、満員電車などであればむしろ歓迎されるような行為であっても、その行為をなすのに必要な注意を怠ったと認められれば、発生した損害につき賠償する責任を負うことがあります。

この賠償額は、治療費や休業補償に留まらず、傷害を負ったことそのものに対する慰謝料や、後遺障害が残った場合であれば後遺障害が残ったことに対する慰謝料、後遺障害により労働能力が減退した分だけ減少すると考えられる将来の収入(逸失利益)などまで含みますので、千万円単位になることも珍しくはありません。

あまりに委縮してしまっては日常生活が楽しくなくなってしまいますが、周囲の人間に危害を加えることのないよう、最低限の注意は払って行動することが必要です。

また、ご自身が自動車事故に備えて入っている責任賠償保険が、自動車事故以外のどの範囲で使えるのか、賠償限度額はいくらなのか、担当者に連絡するなどしてしっかり確認しておくことも大切になります。場合によっては、トラブルになった場合の弁護士費用もカバーできることもあります。

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