自己決定権を考える

先日、尊厳死を公開したアメリカの女性が話題になりました。
尊厳死とは結果として、「延命措置を採らずに死を迎える」ことを選択することですから、患者の自己決定権が発動する究極的な場面です。
そして、この患者の自己決定権は、当然「どのような治療を受けるのか」という選択の場面でも問題となります。もちろん自己決定の前提は、「豊富な正しい情報」です。患者は医師に、病状そのものの説明、治療方法の説明を求めることが出来ます。手術が検討されるような症例であれば、手術を選択した場合と、それ以外の治療を選択した場合のメリット・デメリット等について説明を求めることが出来ます。
手術以外の選択肢がないと思われる場合であっても、仮に手術をしなかった場合の予後について説明を求めることが出来ます。手術を選択した場合には、適応、手術手技の説明を求めることが出来ます。
生死を直接選択するような場面ではないとしても、治療法の選択は人生の中でも大きな決断の一つです。
わからないことをうやむやにしないで、納得できるまで説明を求めるようにしましょう。

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兵庫県弁護士会所属  弁護士  佐々木  伸

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