介護と相続②

先日、民法の見直しを議論する法制審議会が、「相続人でなくても、看病や介護をすれば相続人に対して金銭を請求できる仕組み」を中間試案に盛り込んだとの報道がなされました。これが採用されれば、たとえば長男の妻が義父母の看病介護をしていた場合に、次男や長女に対して相当額の請求が出来るようになります。たしかに、4月号で触れましたように、現行では介護への貢献などは相続の際に原則として考慮されませんので、生活実態に則した柔軟な解決を目指すのであれば、望ましい方向性であるといえるかも知れません。
しかし、相続事案には、①登場人物が多数に上ることがあり②遺言がある場合を除いて、被相続人の意思が確認できない、という特性があります。
このような特性があるにも関わらず、個別に柔軟な解決を指向していたのでは、紛争が拡大・長期化しかねません。そういった事態を回避するために、これまで、相続法の分野では、一義的・定型的な取り決め・解釈がなされていたのです。
そういったことから考えると、実際に、介護看病の貢献が相続にダイレクトに反映されるような民法改正がなされるかどうかは、まだまだわからないところですし、個人的には、その可能性は低いように感じています。現行法の下でも、ある程度柔軟に、被相続人の意思を反映した解決を導く手段として遺言という制度があるわけですから、これを活用することを考えてみてはいかがでしょうか。

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兵庫県弁護士会所属  弁護士  佐々木  伸

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