有馬切手文化博物館

2005(平成17)年5月6日、約50万点の切手を所蔵する「有馬切手文化博物館」が開館しました。
世界的な切手収集家の金井宏之(かないひろゆき)さんが館長を務めていましたが、2012年に88歳で亡くなられています。
日本最初の切手「龍文切手」や、明治天皇ご成婚25周年で作られた初めての記念切手「明治銀婚」(明治27年)など、様々な貴重で珍しい切手が、年代順に展示されています。郵便の制度や切手の移り変わりだけではなく、その時代背景や文化までも学習できる楽しい博物館です。
他にも、世界最初の切手である「ペニー・ブラック」(1840年)や、世界に僅かしか発行されなかったモーリシャスの切手(1847年)も展示されています。
1871(明治4年)に日本で郵便が始まって以来の歴史が、全て凝縮されているかのような「切手文化博物館」は、盛岡で使われていた土蔵(1861年頃建設)を移築した建物です。
10時~16時、火曜日休館、大人500円、中・高生 200円、小学生以下無料
●(904)0024

2016-8-26

布引の滝

どこか涼しい所はありませんか?、と聞かれることがよくあります。
美術展や博物館以外に涼しい自然の所でおすすめが、「布引の滝」です。
新神戸駅の下をくぐり、ひとつ目の”雌滝(めんたき)”までは、わずか5分です。さらに、少し急坂な坂道を頑張ってずんずん登って行くと、ふたつめの”鼓が滝”の水音が軽やかに聞こえてきます。
一番奥の”雄滝(おんたき)”、”夫婦滝(めおとだき)”まで、新神戸駅から20分もあればつきます。

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特に、雨上がりなどに行くと、高さ43メートルの雄滝の、5段に分かれて落下する美しい姿を間近で見ることができ、飛沫のシャワーを浴びることもできます。
平安時代から、多くの貴族や歌人が布引の滝を訪れて歌を詠んでいますが、開港されて以来、外国人も足しげく滝に来ています。
新神戸駅から、ほんの少し足を延ばすだけで、幽玄な世界が展開します。
また、雄滝のすぐ近くには、100年以上前からの貴族や雄滝茶屋があります。ちょっと一息汗がひくまで、滝を間近に眺めながら、美味しいおでんを頂くのも贅沢な時間の過ごし方かもしれません。

2016-7-22

六甲山が大好きな人たち

阪急六甲駅を降りてすぐ北側に、神戸学生青年センターがあります。
古本市や集会、セミナーなどが行われている施設で、1972年に開館しました。
ここで、今年の4月から月に一回「六甲山専門学校」が開校しました。
といっても堅苦しい学校ではなくて、気軽に参加ができる楽しい講座です。
「もっと六甲山を知って欲しい。そしてもっと六甲山を楽しんで欲しい」という熱い思いで3人の六甲山が大好きな人たちが立ち上げた学校です。
長年、六甲山関連の貴重な絵はがきや資料を収集されている前田さん、2009年から灘区でアウトドア用品の「白馬堂ROKKO」を経営されていて「六甲摩耶」の地図の著者である浅野さんと、経験に基づいた生きた知識で、六甲山のガイドブックや自然観察本を数多く出版されているフリーライターの根岸さんが先生役です。
約20人くらいで、缶ビールやおつまみを食べながらの授業風景です。本やインターネツトでは得られない情報が、和気相合とした寺子屋のような雰囲気の中で学びとれる授業になっています。
参加者は、神戸だけでなく大阪や明石など近隣からも参加しています。
六甲山が好きな人たちによる講座に身を置いていると、六甲山がさらに好きになってきました。
参加費は一回1000円です。7月の講座はすでに定員に達していますが申し込みや問い合わせは白馬堂まで。
火、水曜休。
☎(841)89862016-6-22

神戸ワインの新作ができました!

 

1984(昭和59)年に「神戸市立農業公園」は開園しました。ワインと観光が見事に結びつき、開園してから7年後には、年間62万人の人が訪れました。
ワイン造りに特化するために「神戸ワイナリー(農業公園)」と名称を変えたのは、2006(平成18)年。入園料も駐車場も無料になり、誰もが気軽に行けるワイナリーになりました。
神戸で本格的にワインの醸造が始められてから33年。農業公園内に試験、研究用の木が植えられたのは昭和54年ですから、ぶどうの木も老成して、若い木とは違った熟成した味を醸し出すことができるようになりました。
今回の新作の「神戸ワイン」セレクトシリーズは三種類。醸造リーダーの濱原典正さんに聞いてみました。「醸造や発酵の方法に工夫を凝らしたことにより、桃や洋なし、また、かんきつ系やイチゴの香りなど、料理に合わせてそれぞれに楽しめるように仕上げています」とのことでした。
神戸ワインは、ずっと、自社の畑と市内の契約農家で収穫された”神戸のブドウ”で造り続けられています。
ぜひ、”M ade in KOBE “の誇りを飲んでみてください。
神戸みのりの公社
●(991)3916

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2016-6-27

香雪美術館辺り

阪神御影駅から、山の手に向かって、テクテク歩きました。JRの高架下を抜けると、弓弦羽神社の石柱があります。それから、まだ山手幹線を渡るとようやく参道が見えてきました。
旧郡家村・御影村の氏神で、榎・樟などが茂る境内の森は、昭和49年に市の保護樹林に指定されています。桜の花びらが舞い落ちる中、境内を抜けて「香雪美術館」を訪れました。
朝日新聞社の創業者・村山龍平(むらやまりょうへい)が収集した古美術品を元に、1973(昭和48)年に開館した美術館で、館名の「香雪」は村山の号です。現在、企画展「生誕110年・三岸節子展」が開催されています。三岸節子は、1905年に愛知県に生まれ、東京に出て女子美術学校(現・女子美術大学)を首席で卒業しています。洋画家・三岸好太郎と結婚しますが、好太郎は31歳で急逝。その後、3人の子どもを抱えながらの苦しい暮らしに直面しながら、画家として生きていきます。
94歳まで絵筆をとり続け、亡くなった時にも指には絵の具が付いていたそうです。93歳での大作「さいたさいた さくらがさいた」は迫力のある作品です。
美術館のお庭と共に、御影山手の閑静な雰囲気や見事な石の塀なども見所です。
■三岸節子展
〜5月15日まで
10時〜17時、会期中無休
☎(841)0652

2016-4-22

麻酔博物館

ポートライナーに乗って12分、医療センター(市民病院前)駅で降りてすぐの神戸キメックセンタービル3階に「麻酔博物館」はあります。
日本麻酔科学会が、本部の事務局を神戸に移した年の翌年、2009年に「麻酔資料館」がオープンして、その後、たくさんの方々にもっと麻酔のことを理解してもらい、身近に感じてもらいたいと、資料館の展示スペースを拡げて「麻酔博物館」が開設されたのは2011年5月でした。
ここは、日本の近代麻酔史に関わる貴重な資料を展示している日本で唯一の施設です。 日本での麻酔科学は、戦後、麻酔科学の本場であるアメリカに視察留学に行った日本の外科医たちが、その先進ぶりに驚き、あまりにかけ離れた日本の現状に危機感を覚えたことから急速に発展してきました。 館内に博物館、世界と日本の麻酔の歴史年表や、学会設立の経緯、機関誌、また、全身麻酔器の実物を時系列に紹介しているコーナーもあります。
私が特に関心をもって見いったのは、「華岡青州」の歴史年表のところでした。青州は、1804年乳ガン摘出の手術に成功しましたが、これは世界で初めての全身麻酔の実用化で、アメリカでのエーテル麻酔の公開実験より、42年も早い画期的な出来事でした。
以後、激痛をともなわない手術を140人以上の人たちに行いました。
同じビルの10階には、年中無休で開いている無料の展望室(10時~18時)もあります。
見学して、ポートアイランドから六甲山、明石海峡大橋、大阪を眺めてみてください。
平日の10時~17時のみ開館、無料。中央区港島南町1-5-2神戸キメックセンタービル3階
●(306)5945

2016-3-26

神戸華僑歴史博物館

 


南京町の西側の楼門を、真っ直ぐ海岸通まで南へ行くと「華僑歴史博物館」はあります。
何度も前は通っていても、中華総商会ビルの二階にあるので、気がつきにくいかもしれません。
1979(昭和54)年に開館していますから、今年で38年目になります。神戸の華僑自らによる運営、管理がなされている珍しい博物館なので、滋賀や和歌山、大阪、奈良など近隣からの小、中学生や研究者なども含め、一年間に1600人以上見学に来られています。
ここでは、神戸港開港されてからの華僑の方々の生活や活動などの足跡が、身近な耳かきやハサミなどの生活用具から美術品まで、丁寧に展示されていて一般的にあまり知られていない華僑の世界を垣間見るができます。
最初は、居留地の欧米人とともに長崎や上海、香港などから神戸に来た華僑も、開港翌年には500人以上に増え、居留地の周辺に中国人街を形成していきます。
華僑が国際都市・神戸の発展に大きな役割を担ってきたことがよくわかる博物館です。
春節祭特別展
4月9日まで
開館は水曜~土曜のみ。但し3月20、 21 、27日
4月3日は開館
中央区海岸通3‐1‐1 KCCビル2F
・(331)3855

2016-2-26

猫まみれ展 神戸ファッション美術館

六甲アイランドです。
ボートアイランドに遅れること6年後の1972(昭和47)年に着工され、1992(平成4)年に埋め立てが完了しています。
神戸ゆかりの美術館は、2007(平成19)年に開設されました。今年で開業24年目になる六甲ライナーの一番前の席に座り、景色を楽しみ、「アイランドセンター駅」を降りるとまるで円盤のような斬新な外観の「神戸ファッション美術館」があり、神戸ゆかりの美術館はその中にあります。
このゆかり美術館で、猫をテーマに、”招き猫亭”を名乗る個人コレクターが集め続けている収集品を紹介する「猫まみれ展」が、今開催されています。
40年にわたる300点以上の選りすぐられた収集品の中から、さらに浮世絵から現代美術まで、絵画、版画、彫刻など約200点が展示されていて、どこをみても猫だらけ。
しかし、それぞれの芸術家によりこんなにも様々な猫がいるのか、と驚かされます。
何回も会場をまわりましたが、私はこの猫が好き?を選ぶのに困るくらいでした。
もちろん、わが家にも、姉妹の猫がいます。

「猫まみれ展」2016年1月22日~3月27日まで
水曜休館
一般800円
問い合わせ078ー858ー1520
飼い猫の写真を持参すると割引がある「ネコ割」もある

2016-1-29

西神ニュータウン物語  須磨ニュータウン物語

“ニュータウン”には歴史がないとよく言われますが、実は歴史があるのですよ、と穏やかに語って下さる人が大海一雄(おおみかずお)さんです。 神戸研究学園都市にある大学連携施設UNITYで「西神ニュータウンの建設と歴史」の公開講座をされていたのが、今から13年前のことでした。講座終了後、大海さんが代表となり希望者で研究会を立ち上げ、毎月ニュータウンの魅力や課題にに関しての例会を重ねてこられました。
2009年に出版された「西神ニュータウン物語」には、西神ニュータウンの歴史や、現状など全てが網羅されています。その後も「須磨ニュータウン物語」(2012年)、「神戸の住宅地物語」(2013年)を出版されて、神戸のニュータウンの3部作になっています。
大海さんは、神戸市の職員として長い間住宅地開発に携わってこられました。そして、自身もニュータウンに、住み代えながら住み続けてこられました。大海さんの、温かかいまなざしに溢れた本です。
ぜひとも、読んでみてください。
2016-1-1