神戸市内の人なら、小学校の時の見学などで一度は訪れたことがあると思われる「五色塚古墳」は、4世紀後半に築かれた、兵庫県下最大の前方後円墳です。
明石海峡を往来する船を眼下に見下ろすことのできる絶好の高台に位置していますが、当時は、周辺にこのような巨大な古墳を支えたと思われる集落などはなくて、ここに突如として築かれた「五色塚古墳」には、いまだに多くの謎が残されたままです。
墳丘は、全長194メートル、3段で築かれている巨大な古墳で、円筒埴輪約2200本がずらりと並べられていた、と推定されています。また墳丘の斜面には、全面に約223万個の丸い石が葺かれていたようで、この石は、対岸の淡路島から運ばれてきたとみられています。
また、「五色塚古墳」は「偽墓」ともいわれてきましたが、墓自体は本物の可能性も高く、この地の有力者が自発的に造ったのではなく、ヤマト政権とのつながりが強い人物で、周辺を支配した有力者の墓ではないか、と考えられています。
1921(大正10)年に、西側にある小壺古墳とともに国の史跡に指定されてから、100年をむかえ、「国史跡 五色塚古墳あゆみ」の企画展が、神戸市埋蔵文化財センターで開かれています。
まずは、墳丘に立ちその雄大な景色を眺め、豪族気分になってから、様々な疑問を持ったまま、謎解きゲームの感覚で企画展に足を運んでみてください。
「五色塚古墳」4月~11月無休、山陽電鉄霞ヶ丘から10分
☎078-707-3131
「神戸市埋蔵文化財センター」月曜日休館、市営地下鉄西神中央駅から8分、
☎078-992-0656
いずれも無料
2021-6-25