須磨離宮公園の優雅なひととき

離宮公園は、元を辿っていくと、シルクロード探検で有名な大谷光瑞の西本願寺月見山別邸でした。ここを背後の山林と共に宮内省(当時)が買収し、天皇のご宿泊の為の別荘「武庫離宮」が完成したのは大正3年のことです。しかし、昭和20年その広大な敷地の総桧造りの御殿は戦災で焼失し、神戸市に下賜されて現在の離宮公園が完成したのは昭和42年のことです。
欧風噴水公園を間近に眺められるレストハウスは、開園当初からありましたが、「花離宮」として親しまれていた頃からだと、実に37年ぶりにリニューアルされて、ダイニング「GARDEN PARTAGE (ガーデンパタジェ)須磨離宮」が2月8日にオープンしました。大きなガラス窓からは、まるでベルサイユ宮殿にいるかのような庭が噴水越しに眺められ、私は今どこにいるのだろうか、と錯覚さえ覚えそうです。六甲山の市有林から伐採された間伐材が、テーブルや壁やカウンターに再利用され新たな命を紡いでいることも、心地よい空間に一役かっています。
神戸市内でも、すでにウエディングレストランやカフェなど手がけられている中村さんが、「この場所で」とこだわられての展開です。空間の創りかた、またひとつ一つに思いを込められたお料理は、ただキレイなだけではなく、どれもこれもここに来られた人が笑顔になるようなステキなものでした。
パタジェは、分かち合うという意味の造語です。
一人で静かに座って、深い歴史を持つ離宮公園に身を置いてみると、誰かとこの光、時間、空間を分かち合いたくなりました。
離宮公園には、山陽電車「月見山駅」から、私が最も好きな道、”薔薇の小道”を、道に設えられている薔薇の案内板をたどりながら歩いてくださいね。
須磨離宮公園 078-732-6688 木曜日休園
2019年2月22日

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