この美術館は、瀬戸内海国立公園・六甲山に4年前にできた日本初の”さわる”ミュージアムです。
普通、美術館の展示品はガラスケースの中に収められ、少しでも近くで作品を見たければ、監視員の人の居るなかで気を使いながらガラスに鼻をくっつけて鑑賞することになります。
「さわるみゅーじあむ」では、玄関入った所から<無意味の存在>(小林陸一郎)という作品がが出迎えてくれました。桜の木で作られていて、目をつむって触ってみるとノミのあとを掌で感じることができます。
椀状になっているストーンカメオ、ブロンズ像、御影石の作品を次々に触れさせてもらいました。木の作品は、楠、栃、桜と触ってみて初めて質感の違いがよくわかりました。
矢野茂樹館長さんに、なぜこのようなユニークな美術館を作りたいと思ったのか尋ねてみると、病気で全盲になってしまったお母さまへの思いがきっかけになった、ということでした。それまでされていた宝石商の豊富な経験を元に、視覚障害者が本物の芸術作品に気軽に触れられる場所を設けたいという夢を、何年もかけて場所を探し求め、ようやくここ六甲山で実現しました。
さわるミュージアムは、ろうあ者だけの美術館ではありません。子どもたち、若者、大人にもぜひ訪れてほしい美術館です。
目が見えているのに、案外本当のことは見えていないのではないだろか、という気づきの場所になりました。
開館:10時~17時、 木曜日休館
電話:078-894-2400
元中山製鋼所の保養所だだった建物
「六甲ケーブル山上駅」から六甲山上バスで「カンツリーハウス」下車、六甲山スノーパーク駐車場の方に歩いて約10分。
2015-4-24